【海洋ジャーナリスト瀬戸内千代の「もっと知りたい!MSC」】
海藻(藻類)認証が発効から約1年が経ちました。
今回は、取得のトップを切ったユーグレナ社の取材レポートをお届けします。
MSCは漁業、ASCは養殖業の国際認証制度ですが、必要に応じて個々の基準を整えてきたため、現時点では、カバーされていない水産物もあります。
海藻や藻類の生産者も、つい最近まで、審査規準不在のため、認証を受けることができませんでした。
海藻(藻類)認証が発効から約1年が経ちました。
今回は、取得のトップを切ったユーグレナ社の取材レポートをお届けします。
MSCは漁業、ASCは養殖業の国際認証制度ですが、必要に応じて個々の基準を整えてきたため、現時点では、カバーされていない水産物もあります。
海藻や藻類の生産者も、つい最近まで、審査規準不在のため、認証を受けることができませんでした。
そこで、MSC(海洋管理協議会)とASC(水産養殖管理協議会)は、生産者の協力も得ながら内容を詰め、「ASC-MSC 海藻(藻類)規準」を策定しました。PDFリンクはこちら。詳細は、2018年1月31日のブログ「MSCとASCが初めて一緒につくった『海藻規準』とは?」参照
海藻規準は2018年の春に発効となり、認証機関による審査が可能になりました。そして、2019年が明けて間もなく、初取得のニュースが届きました。
できたばかりの海藻認証を世界で最初に取得したのは、日本企業、それも東大発ベンチャーの「ユーグレナ」社で、微細藻類ユーグレナとクロレラで取得しています。こちらがミドリムシの粉末、
こちら↓の色の濃い方が、クロレラ粉末です。

ユーグレナは、理科の教科書でもおなじみの、しっぽ(鞭毛)の生えた緑色の原生生物「ミドリムシ」の学名です。水の中を自由に泳ぎつつ、葉緑体を持ち光合成もできます。

ユーグレナは、理科の教科書でもおなじみの、しっぽ(鞭毛)の生えた緑色の原生生物「ミドリムシ」の学名です。水の中を自由に泳ぎつつ、葉緑体を持ち光合成もできます。
分類上は、藻類の仲間とされているようですが、動物とも植物とも言い切れないスペシャルな生き物です。

ミドリムシ。同属の仲間は100種以上。種によっては日本の湖や池にもすんでいます(稀に海産種もいるそうです)。サイズは0.05ミリ程度で、子ども用の顕微鏡でもよく見えます。なお、泳げる藻類はかなりいますし、イチョウやコケなどの生殖細胞も泳ぎます。動物と植物の境界は意外とあいまいなのかもしれません
ミドリムシの学名そのままの同社の名前は、新聞や店頭などで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。主力商品の「ユーグレナの緑汁」は、栄養豊富なミドリムシやクロレラ、有機大麦若葉、明日葉などをブレンドした粉末で、水に溶かすと、きれいな緑色のドリンクになります。

ムシという名前はついていても藻類ですから、お味は抹茶のよう(個人の感想です)。ミドリムシは顕微鏡サイズなので、乾燥粉末1gには10億個が含まれるそうです。
動物と植物を足したような特殊な生き物だからこそ、59種類もの栄養素を含み、植物のような細胞壁がないからこそ、消化吸収効率も抜群とのこと。人口爆発に伴う食料難への備えとしても注目されている食材です。
日本で海藻と言えばワカメや昆布などの食用のイメージですが、海外では海藻は食用よりも、むしろ化粧品やサプリメントの用途が多いと聞きました。そして、海藻の国際認証を真っ先に取得したのは、まさにグローバルな需要が見込める原料や燃料としても有望な淡水藻類でした。
というわけで、海藻(藻類)認証がテーマの今回は、「海のエコラベル」のMSCブログとしては異色の内容です。舞台は、海ではなく淡水。認証対象も、漁業ではなく養殖業です。
「ASC-MSC 海藻(藻類)規準」の審査に通って認証された場合、生産方法によって、商品に表示できるロゴは、MSCとASCの両方または片方です。
前例のないダブル表示が可能な海藻認証ですが、世界初の取得者は天然藻類の生産者ではなかったので、表示予定のロゴは「ASC」のみです。
後編は、実際にユーグレナ本社に訪問して取材した内容をレポートします!(こちら)

