【海洋ジャーナリスト瀬戸内千代の「もっと知りたい!MSC」】
10月27日に開催された「東京サステナブルシーフードシンポジウム」についてレポートしています。前編はこちら。
後編でも引き続き、多彩な面々が登壇したシンポジウムの様子をレポートします。

日本は「豊かな海に生かされてきた」島国です。にもかかわらず、ここ何十年も水産業は低迷しています。
上のプレゼン資料は、水産業の新3K(カッコいい、稼げる、革新的)を掲げて震災後の東北で三陸の漁師たちと「フィッシャーマン・ジャパン」を立ち上げたヤフーCSR推進室の長谷川琢也さんのもの。
長谷川さん(写真右)は、持続可能な日本漁業に必要なのは、国際的に求められている「水産資源管理」と国内的な「担い手育成」だと述べました。
ここにきて、国も動き始めています。約5年ごとの改訂年の今年、水産庁が「水産基本計画」を刷新。内閣府は「規制改革推進会議」を立ち上げ、漁業の成長産業化に向けて検討を進めています。
トークセッションに登壇した元水産庁次長で国立研究開発法人水産研究・教育機構理事長の宮原正典さんは、日本の水産行政の現状を「ちょうど曲がり角」と表現。「海は広いな大きいな」(楽観論)からの脱却を図っていると語りました。
今年9月に始まった同会議は、現行の資源管理手法の評価と検証を行い、必要な見直しなどを含む審議結果を2018年の早期に発表するそうです。
MSC認証の審査では対象魚種の資源管理状態を広域的にチェックするため、政府が漁業改革に本腰を入れ始めたことは、認証を取得したい漁業者にとって追い風です。
学習院大学法学部教授でミドルベリー国際大学院モントレー校客員研究員の阪口 功先生は、「日本の未来の水産業にとって(エコラベルは)非常に重要」と述べ、海外で高く評価されている北海道のMSC認証ホタテを例に挙げました。また、グループ申請なら認証取得コストを抑えられることを紹介し、「ハードルはさほど高くない」と語りました。
慶應義塾大学大学院政策メディア研究科の蟹江憲史教授の資料(下図)によると、1950年以降の世界は、社会経済の指標(人口、一次エネルギー利用、水利用など)を見ても、地球システムの指標(二酸化炭素濃度、海洋酸性化、熱帯林損失、生物減少など)を見ても、危険な急増傾向を示しています。

蟹江先生の資料を振り返って見つめるのは、パークハイアット東京のトーマス・アンゲラー総料理長(右)
※ホテルチェーンのハイアットグループは、扱うシーフードの15%以上をMSC/ASC認証品にすると宣言しています
持続可能な社会にシフトしなければ「地球が持たない」という危機感から、2015年に国連はSDGs(持続可能な開発目標)を策定しました。17項目の14番目の目標は「海の豊かさを守ろう」です。
サステナブルシーフードがテーマのこのシンポジウムも同じ2015年にスタート。その後、回を追うごとに熱気を帯びてきています。
今回は、世界首位の水産大手マルハニチロと日本水産(ニッスイ)をはじめ、ANAホールディングスや日立製作所、IHIジェットサービス、KDDIなど、観光ビジネス業界から違法漁業監視とトレーサビリティー確立に貢献するIT業界まで、幅広い企業が登壇しました。
夕刻に行われた統括セッションのタイトルは、「SDGs達成を目指し東京オリンピック・レガシーを作る」。五輪を契機に水産資源を回復させようと、時間いっぱいまで熱いトークが続きました。

左からシーフードレガシーの花岡さん、日経エコロジープロデューサーの藤田香さん、北京・ロンドン五輪バドミントン選手で東京五輪の飲食戦略検討委員を務める池田信太郎さん、国連環境計画金融イニシアチブ特別顧問の末吉竹二郎さん、水産研究・教育機構の宮原さん、西友の和間さん、元ニッスイ社長でマリン・エコラベル・ジャパン協議会会長の垣添直也さん
充実のシンポジウムが終わり、レセプション会場へ。
MSCブログでもおなじみ、サステナブルシーフードレストランBLUEのオーナー、松井大輔さんの登場です!

松井さんは今回のレセプションで、サステナブルシーフードメニューを監修しました。

海のエコラベルが表示されたお料理に舌鼓を打って、サステナブルシーフードの意義に加えておいしさまでも噛み締めて、日がとっぷり暮れた会場を後にしました。
次回は、4年ぶりに来日したMSCのCEOルパート・ハウズさんへのインタビューをお届けします!
MSCに関する詳しい内容は、下記までお問い合わせください。
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10月27日に開催された「東京サステナブルシーフードシンポジウム」についてレポートしています。前編はこちら。
後編でも引き続き、多彩な面々が登壇したシンポジウムの様子をレポートします。
革新の時を迎えた日本の水産行政

日本は「豊かな海に生かされてきた」島国です。にもかかわらず、ここ何十年も水産業は低迷しています。
上のプレゼン資料は、水産業の新3K(カッコいい、稼げる、革新的)を掲げて震災後の東北で三陸の漁師たちと「フィッシャーマン・ジャパン」を立ち上げたヤフーCSR推進室の長谷川琢也さんのもの。
長谷川さん(写真右)は、持続可能な日本漁業に必要なのは、国際的に求められている「水産資源管理」と国内的な「担い手育成」だと述べました。
ここにきて、国も動き始めています。約5年ごとの改訂年の今年、水産庁が「水産基本計画」を刷新。内閣府は「規制改革推進会議」を立ち上げ、漁業の成長産業化に向けて検討を進めています。
トークセッションに登壇した元水産庁次長で国立研究開発法人水産研究・教育機構理事長の宮原正典さんは、日本の水産行政の現状を「ちょうど曲がり角」と表現。「海は広いな大きいな」(楽観論)からの脱却を図っていると語りました。
今年9月に始まった同会議は、現行の資源管理手法の評価と検証を行い、必要な見直しなどを含む審議結果を2018年の早期に発表するそうです。
MSC認証の審査では対象魚種の資源管理状態を広域的にチェックするため、政府が漁業改革に本腰を入れ始めたことは、認証を取得したい漁業者にとって追い風です。
学習院大学法学部教授でミドルベリー国際大学院モントレー校客員研究員の阪口 功先生は、「日本の未来の水産業にとって(エコラベルは)非常に重要」と述べ、海外で高く評価されている北海道のMSC認証ホタテを例に挙げました。また、グループ申請なら認証取得コストを抑えられることを紹介し、「ハードルはさほど高くない」と語りました。
多様な企業がSDGs達成のために協力
日本漁業の未来を考える時に忘れてはならないのが、ひと続きの海が表面の7割を覆う地球という惑星の現状です。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科の蟹江憲史教授の資料(下図)によると、1950年以降の世界は、社会経済の指標(人口、一次エネルギー利用、水利用など)を見ても、地球システムの指標(二酸化炭素濃度、海洋酸性化、熱帯林損失、生物減少など)を見ても、危険な急増傾向を示しています。

蟹江先生の資料を振り返って見つめるのは、パークハイアット東京のトーマス・アンゲラー総料理長(右)
※ホテルチェーンのハイアットグループは、扱うシーフードの15%以上をMSC/ASC認証品にすると宣言しています
持続可能な社会にシフトしなければ「地球が持たない」という危機感から、2015年に国連はSDGs(持続可能な開発目標)を策定しました。17項目の14番目の目標は「海の豊かさを守ろう」です。
サステナブルシーフードがテーマのこのシンポジウムも同じ2015年にスタート。その後、回を追うごとに熱気を帯びてきています。
今回は、世界首位の水産大手マルハニチロと日本水産(ニッスイ)をはじめ、ANAホールディングスや日立製作所、IHIジェットサービス、KDDIなど、観光ビジネス業界から違法漁業監視とトレーサビリティー確立に貢献するIT業界まで、幅広い企業が登壇しました。
夕刻に行われた統括セッションのタイトルは、「SDGs達成を目指し東京オリンピック・レガシーを作る」。五輪を契機に水産資源を回復させようと、時間いっぱいまで熱いトークが続きました。

左からシーフードレガシーの花岡さん、日経エコロジープロデューサーの藤田香さん、北京・ロンドン五輪バドミントン選手で東京五輪の飲食戦略検討委員を務める池田信太郎さん、国連環境計画金融イニシアチブ特別顧問の末吉竹二郎さん、水産研究・教育機構の宮原さん、西友の和間さん、元ニッスイ社長でマリン・エコラベル・ジャパン協議会会長の垣添直也さん
充実のシンポジウムが終わり、レセプション会場へ。
MSCブログでもおなじみ、サステナブルシーフードレストランBLUEのオーナー、松井大輔さんの登場です!

松井さんは今回のレセプションで、サステナブルシーフードメニューを監修しました。

海のエコラベルが表示されたお料理に舌鼓を打って、サステナブルシーフードの意義に加えておいしさまでも噛み締めて、日がとっぷり暮れた会場を後にしました。
次回は、4年ぶりに来日したMSCのCEOルパート・ハウズさんへのインタビューをお届けします!
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