こんにちは、MSC日本事務所スタッフです。

先日、2019年度のMSC奨学金プログラムにおける5人の受賞者が発表されました!
これは、2012年に始まった、水産学と漁業管理、またはサプライチェーンのトレーサビリティに関する研究を行う世界中の学生を支援するプログラムです。
MSCはこれまでに世界の学生24人を支援し、90,000英ポンドを超える奨学金を授与してきました。

ではさっそく、2019年度の受賞者をご紹介します!

ビアンカ・ハースさん(オーストラリア、タスマニア大学)

オーストラリア、タスマニア大学のビアンカ・ハースさんは、地域漁業管理機関(RFMO)と、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のような環境協定や持続可能性イニシアチブとの関連について研究しています。
MSCの奨学金により、ビアンカさんはバヌアツとパプアニューギニアで開催される漁業委員会に参加する予定です。

ビアンカ・ハースさん

ビアンカさんの受賞コメント
「地域漁業管理機関(RFMO)のような機関の働きをよりよく知ることが、水産資源に関する合意の確立にもつながり、それによって今後の持続可能性に対する理解に新たな領域を築きます。持続可能な漁業のための資源評価モデルのような、より進んだ科学的研究が生まれることにもなります。
私は自分の研究を変えたいと思い、水産資源の持続可能性に興味を持つようになりました。 海は、食糧、仕事、文化的側面など、私たちに様々な価値を提供してくれます。海を守り、持続可能な方法で水産資源を利用することは、私たちの将来にとって不可欠です。」


ロドリゴ・オヤネデルさん(イギリス、オックスフォード大学)

イギリス、オックスフォード大学のロドリゴ・オヤネデルさんは、チリでのメルルーサ漁業で生計を立てる地元の漁民の生活を脅かしている、メルルーサの違法漁業についての研究を行っています。彼は、何が違法漁業を引き起こしているかを調査し、違法行為の撲滅に向けた解決策の策定を目指しています。

ロドリゴ・オヤネデルさん

ロドリゴさんの受賞コメント
「この奨学金をいただけることを、大変感謝しています。メルルーサ漁業で生計を立てている漁業者と、この研究結果を共有できるようになるからです。
法令違反はなかなか目に見えず、それによる負の影響によって可視化されます。将来にわたって海を守るためには、そうした脅威に対して緊急の対策が必要です。」

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ギリェルメ・スザーノ・コケイロさん(ブラジル、パラナ連邦大学)

ブラジル、パラナ連邦大学のギリェルメ・スザーノ・コケイロさんは、南ブラジルの小規模で伝統的な地域漁業における、混獲排除装置の社会経済学的効果を研究しています。

ギリェルメ・スザーノ・コケイロさん

ギリェルメさんの受賞コメント
「この研究は、私たちの地元漁業が発展したことによる実質的な側面を指摘するものと確信します。MSCが私の研究を授与の対象と見てくださったことに、大変感謝しております。」

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ジェシカ・ハジンズさん(イギリス、ヘリオット・ワット大学)

イギリス、ヘリオット・ワット大学のジェシカ・ハジンズさんは、クイーンズランド水域におけるノコギリエイの個体群動態を研究する予定です。シャークス アンド レイズ オーストラリアとの協働により、安全なノコギリエイの取り扱い、ノコギリエイのタグ付け、DNAサンプルの収集について、漁業者を対象にしたワークショップを開催します。

ジェシカ・ハジンズさん

ジェシカさんの受賞コメント
「この奨学金のおかげで、私の長期目標の1つである、漁業者との建設的な関係を築き、彼らの主要な科学データへのアクセスを支援することが可能になるでしょう。
この研究により、データが不足している場合や遠隔地域にも応用できるような手法を使って、過去や現在のノコギリエイの分布が把握できるようになるはずです」

ノコギリエイ

サンチアゴ・ビアンチさん(アルゼンチン、マル・デル・プラタ国立大学)

アルゼンチン、マル・デル・プラタ国立大学のサンチアゴ・ビアンチさんは、奨学金を使って、アルゼンチン南部のミナミナラバガニ漁業におけるクモガニ混獲の削減に、脱出口が役立つかどうかを研究する予定です。

サンチアゴ・ビアンチさん

サンチアゴさんの受賞コメント
「海洋保全は現在最も重要なプログラムだと考えています。私はこの研究を通して、海洋科学を支援し、漁業における生態系アプローチに貢献するつもりです」

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Santiago_Bianchi_King_crab_fishery

この奨学金プログラムは、乱獲に取り組む世界の科学や研究に対してMSCが行っている支援の一部です。水産学、あるいは水産サプライチェーンのトレーサビリティを対象とする研究を支援すべく、学生にはプロジェクト1件あたり4,000英ポンドまでの奨学金が給付されます。
このプログラムは毎年開催されており、春に募集が始まります。来年は、日本で研究する学生さんも応募されてはいかがでしょうか?

MSC奨学金プログラムについての詳細は、こちらをご覧ください(英語)

               

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