【海洋ジャーナリスト瀬戸内千代の「もっと知りたい!MSC」】

~石原水産MSC認証取得! 記念連載その1(5回シリーズ)~

皆さんは、水産メーカーが、MSCの「漁業」認証を取得できることをご存知でしょうか?

MSCには漁業認証CoC認証があります。メーカーが取得するなら、認証品の流通に必要なCoC認証のほうでは? と私も最近まで思っていましたが、漁業者と契約すれば、メーカーが主体となって漁業認証を取得することも可能なのだそうです。


石原水産は、焼津で55年続く水産加工会社。珍味やお刺身などを幅広く手掛けるメーカーですが、第8永盛丸(えいせいまる)を管理する株式会社永盛丸と提携し、晴れて、漁業認証を取得しました。
すでにCoC認証のほうの監査も終わっており、無事に両認証がそろえば、自社商品にMSCロゴを表示して販売できるようになります。

2番目上等!

第8永盛丸が監査を受けたのは約1年前。そして今回、第8永盛丸による一本釣りのカツオ・ビンナガ(=びんちょうまぐろ)漁が、国内5件目・6件目としてMSC認証漁業に加わりました。
株式会社永盛丸の本籍は、深海魚で有名な伊豆の戸田(へだ)ですが、水揚げ港である焼津にも事務所を構えています。それが、この、海に面して建つ一戸建て住宅です。

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第8永盛丸は、毎年5-8月に日本近海の太平洋でビンナガを、それ以外は通年、南方のミクロネシア海域などでカツオを中心に漁獲しています。
石原水産は、その船上で凍結された魚を、焼津の魚市場でセリ落とす企業の一つです。

今回のMSC認証取得は、石原水産の提案でした。同社が昔から懇意にしている永盛丸に協力を依頼して取得を実現しました。
では、石原水産は、どのような思いでMSC認証取得に踏み切ったのでしょうか?

「この産業が未来永劫続きますように、ということで、もちろん資源保護、環境保護が大前提です。でも、利益を出して還元しないと継続できないので、ただMSCロゴを付ければ良いというわけにはいきません。どうやったら人目に付くか工夫する必要があるため、漁業者ではなく自分たちメーカーが取得しなければいけないと思いました」
吉永さん3

こう語るのは、石原水産の営業部長の吉永勝彦さんです。同社は船を持っていないので、別会社の漁船と組んだわけです。

認証費用を負担したのは石原水産ですが、メリットのほうが大きいと見込んだのでしょうか?

「正直ちょっと見切り発車の部分もありますよ(笑)。でも踏み出さないと始まらないので。机上であれこれ考えるより、まず、やってみないと。とはいえ、2番目に行くというのは、これがまた、勇気がいることでして」(吉永さん)

そうなのです。石原水産が取得した一本釣りのカツオ・ビンナガ漁でのMSC認証は、明豊漁業に続く2例目で、どうしても1例目ほどには注目されません。しかも、このブログでもご紹介した通り、先例は、同じ焼津港を拠点の一つとする、いわば競合です。こういう事情がありながらも、

「2番目、3番目と続いていかないと広がって行かないので」

と潔く言い切った吉永さんの覚悟にしびれました。

2番目になんか甘んじるものか、と皆が思ってしまったら、良い取り組みも広まりようがありません。石原水産のような「心意気」の連鎖で、漁業が未来に続いていくんだな、と明るい気持ちになりました。

今回の焼津取材は、5回に分けてたっぷりお伝えします。次回は、「ずいぶん前からMSCは知ってましたよ。でもね……」と語る、株式会社永盛丸代表取締役の荒川太一さんのご登場です。お楽しみに!
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審査対象となった「第8永盛丸」



               

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