【海洋ジャーナリスト瀬戸内千代の「もっと知りたい!MSC」】

楽天が11月末にオープンした「アースモール ウィズ ラクテン(正式名称:EARTH MALL with Rakuten)」のサイトは、もうご覧になりましたか?
今回は、オープン時の記者発表会とシンポジウムの様子、そして実際にEARTH MALL with Rakutenを利用してみた感想をレポートします。

EARTH MALL with Rakutenとは

EARTH MALL with Rakutenは、持続可能な消費の普及を目指し、楽天が新たに開設したサイトです。
スローガンは、未来を変える買い物を。

MSC「海のエコラベル」を選んで購入する行為も、まさに「未来を変える買い物」です。


水産資源に限らず、紙(森林認証)や衣類(繊維認証)やフェアトレードについても、国際的に広く信頼を得ている認証スキームがあります。それらの認証商品をはじめとする未来の環境、社会、経済に配慮してつくられた商品が大集合しているのが、EARTH MALL with Rakutenです。

まだ国際認証の意義が広く知られていないということで、このモールはメディアの役割も果たしています。例えば、各認証スキームを楽天ならではの切り口で紹介したり……


「未来を変える買い物企画 Earthmall 認証とは篇」(約5分半)
独自の「未来を変える読み物」を発信したり。ここには、カツオとビンチョウの一本釣りでMSC認証を取得した明豊漁業の松永賢治社長(とカツオ!)へのインタビューが掲載されています。

また、「EARTH MALLへの応援メッセージ」には、MSCの石井幸造さんや松永社長が寄稿しています。松永さんが語る、かつての焼津の描写が印象的です。

認証ラベルで選んで買える

EARTH MALL with Rakutenが選んだ国際認証品ラベル付き製品は、MSCも含め、厳正な規格に適合したとして第三者審査機関により認証されたものが多く紹介されています。

これらのロゴをスーパーマーケットなどの店頭で見つけ出すのは結構大変なので、国際認証ラベル付き製品に一気にアクセスできるこのモールは、とても便利です。

というわけで、実際にMSCの認証ラベル付き製品をEARTH MALL with Rakutenで買ってみました(オープン半月後の2018.12.16現在の状況)。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

1.「アースモール」で検索。EARTH MALL with Rakuten と書かれているリンクを探してクリックします。
URL: https://event.rakuten.co.jp/earthmall/
earthmall01

2.大別して3つの商品カテゴリー「食品・飲料」「ファッション」「暮らし」があり、それと別に、下記のロゴごとに、楽天で扱っている認証品を一覧できます。←ココが画期的!

  • MSC認証
  • ASC認証
  • FSC認証
  • RSPO認証
  • 国際フェアトレード認証
  • GOTS認証

3.「認証ラベルから探す」または「認証ラベルで選ぶ」をクリック。そして、「MSC認証」をクリック!
earthmall02

MSC「海のエコラベル」付き製品を買うことに、どんな意味があるのかを、簡単に解説してくれています。

「食品」をクリックしたら12商品、「ペットフード」をクリックしたら104商品がヒットしました。
 earthmall03
これは「食品」の表示。缶詰めや冷凍品など日持ちするものが中心です


4.気に入ったものがあったら、買い物かごへ。

 ※商品を見てから楽天(一般)のトップページに飛ぶと迷子になりやすいので、EARTH MALL with Rakutenのトップページを  ブックマークに入れておくことをオススメします!
 ※購入(会計)はショップごとです。まとめ買いで送料が無料になる店もあります。
 

5.商品ページから購入までの流れは、従来の楽天ショップと変わりません。すでに楽天会員であれば、新たな登録も不要です。注文して、あとは届くのを待つのみ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
以上です。「エシカル消費」のハードルが、ぐんと低くなりました。

 ただ、MSC認証の食品の掲載数は、まだ少なめです。オープン発表会で、楽天常務執行役員兼CPOの小林正忠さんも、こう言っています。

「楽天ショップ全体には約2.5億点の商品がありますが、EARTH MALL with Rakutenに並んでいるのは(6つの国際認証すべて含めて)7000。まだ選ぶ楽しみがありません」

その一方で、こうも言い切りました。

この国の消費は変わる。人々の生き方は変わる。そう確信しております!

 

この前向きな見通しの背景には、楽天創業メンバーとしての思いがあります。小林さんによると、今のエシカル消費の状況は、1997年の楽天の創業当時と非常に似ているそうです。

インターネットでモノが売り買いできること自体が世間に信じてもらえなかった約20年前、楽天に登録された店舗は、たった13店でした。

 それがいまや46000店に。楽天のEC(イーシー、eコマースの略称)流通総額は、国内だけで約3.4兆円(2017年)。楽天会員数も20189月時点で1億を超えています。

 今にエシカル消費の流れがくる! ―― そう信じて楽天が踏み切った今回のチャレンジ。この流れが本物になるかどうかは、私たち消費者にかかっているのかもしれません。


お買い物でSDGs達成に貢献

1997年創業の楽天は、これまで全国各地の商店の応援、ひいては地域コミュニティの活性化に取り組んできました。

その楽天が今、「エンパワーメントに加えて、これからはサステナビリティも掲げる」と宣言しています。

目指すのは、環境や社会にできるだけ負荷をかけない「サステナブルな商品を当たり前に買える社会」です。

認証ラベル付き製品が買いやすい場づくりを模索していた楽天社員と、2015年からSDGsに関する変革とイノベーションを促す活動を始めていた博報堂が約1年前に出会い、その約半年後の2018年5月には早くもプレオープン

11月末のグランドオープン発表会には、150人もの記者や認証スキーム関係者、エシカル消費に関心のある人たちが集まりました。

同モールアドバイザーの蟹江憲史さん(慶應義塾大学の×SDG・ラボ代表)は、発表会で、国連加盟国193カ国すべてが合意しているSDGs(持続可能な開発目標)と同モールの関係を解説しました。
らくてん1
左から小林さん、蟹江さん、末吉さん


蟹江さんが示したのは、目標12「持続可能な生産消費形態を確保する」内に設定された細かなターゲット。中でも、ターゲット12.2「2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する」は、そのままMSCとリンクする内容です。

その他の国際認証も、複数の目標やターゲットに対応しています。EARTH MALL with Rakutenで買い物をすれば、「国際的な目標であるSDGsに協力できる」というわけです。

earthmall05
余談ですが、会場の水がコップ入りでした。海洋プラスチック問題につながるペットボトルを安易に配らないところも、アースモールらしくて良かったです

EARTH MALL with Rakutenには、「選ぶ楽しみ」を考慮して、国際認証ラベル付き製品だけでなく、同モール専任のキュレーターたちが選んだエシカル商品も並んでいます。

 キュレーターの一人、末吉里花さん(一般社団法人エシカル協会代表理事)は、テレビ番組のレポーターだったこともあり、世界約75カ国を訪れた経験を持ちます。

 「この世界は、一握りの利益や権力のために美しい自然あるいは立場の弱い人たちが犠牲になっている構造だとひしひしと感じて、胸が痛みました」

という言葉に、エシカル消費にかける思いの強さを感じました。

シンポジウムのパネルディスカッションでは、蟹江さんと末吉さんに加え、

博報堂の小田部巧さん(ブランドイノベーションデザイン局ストラテジックプラニングディレクター)と、楽天の眞々部貴之さん(サステナビリティ推進部企画グループマネージャー)が登壇し、
楽天店舗を代表して神戸のレディースファッション「イーザッカマニアストアーズ」からバイヤーの浅野かおりさんを迎えて、
「サステナブルな買い物のつくりかた」について語りました。
らくてん2
左から眞々部さん、小林さん、蟹江さん、末吉さん、浅野さん、小田部さん

短時間でしたが、たくさんの問題提起や解決のアイデアが飛び交いました。
下記は、その一部です。

  • 認証制度が知られていない現状を、「未来を変える買い物=ワクワクする買い物」を提案することで変えていきたい。(小田部さん)
  • 綿花の採れる量が限られていて大手に買い占められている、トレーサビリティの証明にコストがかかるといった点が課題。エシカル商品にも「欲しくなるような」魅力が必要。(浅野さん)
  • エシカル商品も大量消費しては意味がない。修理して長く使う文化の創出を(末吉さん)
  • 大学生は意識が高い。クリック一つで商品の背景を伝えられるのはECの利点。(蟹江さん)
  • サステナブルな社会が自分にもたらすメリットや、エシカル商品のストーリーなどの「見える化」が大事。(眞々部さん)

年末年始にエシカル・ショッピングはいかが?

ネットショッピングは、配送に伴う二酸化炭素の排出が気になるものの、共働きや介護などで買い物に出にくい人も増えている昨今、多くの人にとって欠かせないサービスとなっています。

その一方で、ネットの世界では、つい最近まで、ワシントン条約で輸出入が規制されている「象牙」など、合法性が不確かなモノも売られていました。そういう危うい一面があるのも事実です。

だからこそ、EARTH MALL with Rakutenのような、「ポジティブリスト」的な品揃えでエシカル消費を後押ししてくれるモールには、存在価値があります。

らくてん3
EARTH MALL with Rakutenの商品例。日用品のほかに、洋服や積み木など、プレゼントになりそうなグッズもあります

一人一人の力は小さいですが、楽天の流通総額を見てもわかる通り、個々の消費者の行動は寄り集まると、とんでもない規模になります。つまり、私たちは決して無力ではない!ということです。

 同じくEC大手のヤフーも10月に、エシカル消費をテーマとする「エールマーケット」をオープンしています(前身は「復興デパートメント」及び「東北エールマーケット」)。

未来を明るくする消費に向けて、大手ECサイトが相次いで動いたことは、2018年のグッドニュースと言えるでしょう。

クリスマスや年末年始に会う家族や友人への(そして、この1年がんばった自分への?)プレゼントを探しに、この冬は、エシカル・ショッピングをしてみませんか?