【フードライター浅野陽子の『海のエコラベル』現場より生中継!】
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注文した商品を届けてくれる、便利な宅配サービスでおなじみの「生協」。MSC「海のエコラベル」付き商品は生協でも購入することができます!

でも生協って宅配以外にお店もあるし、普通のスーパーとはどうちがうの?MSCとはどんなつながりがあるの?・・・そんな疑問を、東京・渋谷にある日本生協連(日本生活協同組合連合会)さんに聞いてきました!
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今回インタビューに答えてくださったのは、商品本部 本部長スタッフの松本哲さんです。(当ブログでも一度ご登場

生協とスーパーのちがいを知っていますか?

――まず、生協とはどんな組織なのか、普通のスーパーとはどんなちがいがあるのか教えてください。
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生協がスーパーのような一般の流通企業とちがう点は、「お客さま」にあたる組合員さんが個人で出資し、その上で宅配などのサービスを利用することです。また、組合員さんも、生協の運営や商品の開発改善などに参加できます。

全国には各地域に生協があり、組合員さんはお住まいの地域の生協などに出資金し加入してから、宅配などのサービスを利用する仕組みです。地域だけでなく、大学や企業などの単位で教職員・学生や社員が組合員となっている「大学生協」や「職域生協」もあります。

――いまは全国でどのくらいの組合員さんがいますか?

組合員さんは全国で2861万人です。全国の生協の年間の総事業高(=売上に値する金額)は約3兆5000億円です。宅配事業はその約半分を占めていて、一番大きいですね。共済などの保障事業もやっています。

各エリア(地方)では、複数の生協が集まって「連合会」を作り、共同で活動している場合もあります。
関東エリアの連合会を例にすると「コープデリ連合会」や「パルシステム連合会」などが有名です。全国の生協では「コープさっぽろ(北海道)」「コープこうべ(兵庫)」などが地域での生協への加入率も高く、長い歴史を持っています。

東京に本部がある日本生協連の役割と、環境と人を変える「エシカル」

――全国のコープと、松本さんの所属する「日本生協連」はどういう関係ですか?
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全国の生協は、それぞれが独立した法人として事業や活動を行っています。各地の生協と日本生協連は「本部―支部」という関係ではありません。日本生協連は、全国の生協が会員となって参加することで成り立っている組織です。

わたしたち「日本生協連」(日本生活協同組合連合会)は、「CO・OP」マークがついた「コープ商品」の開発などを行っています。連合会を含む全国322の生協が日本生協連に加入しいます。

このうち、宅配だけでなく店舗を運営している生協にもコープ商品を供給しています。
そのほか、日本生協連は生協の全国組織として行政や諸団体との関係づくりや意見発信、会員生協の事業・活動のサポート等の活動を行っています。

――おなじみのコープ商品ですね!いま何品くらいあるのですか?

約4500品です。「組合員さんのふだんのくらしに役立つ商品の開発」がモットーですが、ほかにも「安全と安心を大切に」「想いをつなぐ(生産者の顔が利用者にまで見える商品を作る)」「地域や社会、環境に貢献する」などの価値を大事にしています。

――「地域や環境に貢献」とはMSCとつながってきますね。
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                           (出典:日本生協連)

2017年は、地域や環境などに配慮する「エシカル」消費を身近に参加しやすくする商品の開発に、特に重点的に取り組みました。MSC認証のシーフードを商品の原料に使った商品を増やすこともその一環です。

組合員さんとともに試食や調査を重ねて、「エシカル」消費に対応する商品を増やしてきました。また、MSCの提唱するメッセージと同じく「責任ある調達の仕組み」を考慮した商品開発をすすめようとしています。商品を開発したとき、おいしさや使いやすさだけではなく、その原材料が持続可能であることが、多くの組合員さんに安心して継続的に利用していただく上でも大切なことだと思います。

生協ではたくさんのMSC認証商品を取り扱い中

――MSC「海のエコラベル」が付いたコープ商品はどのくらいありますか?

約4500の商品のうち、水産部門の商品は約450品あり、うちMSC認証の商品は47品です。MSC認証のスケソウダラ、サバ、マダラ、アサバカレイ、アブラカレイを海外から輸入し、原料に使っています。
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48                            (出典:日本生協連)

※最新のMSC認証商品一覧は、日本生協連のウェブサイトをご覧ください。http://goods.jccu.coop/lineup/eco/msc.html

もともと水産部門の商品では、ノルウェー産のサバを使った煮魚(「さばの味噌煮」と「さばのみぞれ煮」)が、上位1位・2位を争う人気商品でした。

2016年にノルウェー産のタイセイヨウサバがMSC認証を取得し、2017年6月にMSC「海のエコラベル」を付けた商品となったことによって、供給高(売上)が昨年の約4倍に伸長しています。

――すごいですね!今後もMSC「海のエコラベル」付き商品は増えていくのでしょうか?

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はい、2018年は新たにMSC認証の北海道産ホタテと、ニュージーランド産のホキを使った新商品の発売を予定しています。また、練り製品のちくわや魚肉ソーセージでもMSC認証を取得した原料を使用した商品の発売を計画しています。


――生協の組合員さんは環境への意識が高い方が多そうですが、「海のエコラベル」やMSCについてはどのくらい知られているのでしょうか?
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                            (出典:日本生協連)

昨年、組合員さんにインターネットでアンケートを実施しましたが、MSCのエコラベルについて、「意味を知っている」と「聞いたことがあるが、意味はよく知らない」と答えた方の合計は回答者の約15%でした。半数以上の方が知っているエコマークや有機JASマークのように、今後もっと認知を高め、組合員さんに持続可能な水産物を選んで利用していただくようにしていくことが課題ですね。

コープデリ連合会」では、「ヴィ・ナチュール」というナチュラル&オーガニック特集チラシを作り、宅配を利用する組合員さんに配布してくださっています。このような取り組みによって、より多くの組合員さんに理解を深めていただけるのではと思います。
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                         (画像:コープデリ連合会)

水産部長になってから感じたリアルな深刻さ

――松本さんご自身は、MSCや近年の海の環境について、どのように感じていらっしゃいますか?

私は1988年に日本生協連に就職し、物流、営業、商品開発など、コープ商品に関わるいろいろな業務を経験したのち、2014年に水産部長に着任し、二年間務めました。

初めて水産の商品開発に直接関わる仕事をして気付いたことは、他の部門と比べても、原料由来の価格変更(値上)、規格の見直し(量目減)、供給の休止などの提案が多いことです。
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それぞれ理由はありますが、日本周辺のイカやサンマなどのように漁獲量の減少が続いたり、漁獲される魚体が小さくなっているといったことがあり、水産資源の厳しい現状と直面することになりました。
私が学校で勉強していた頃は、日本は世界でトップクラスの漁業大国で、「豊漁」のニュースを見ることが何度もあったのですが・・・。これは、感じていた以上に深刻な状況になっているのではと考えるようになりました。

わたしたち日本生協連は、組合員さんのくらしに役立つ商品をつくり、納得いただける価格でご提供し、繰返しご利用いただけるようにすることが大切だと考えています。

組合員さんによく利用されている商品で「原料の事情で今年は供給できません」ということは好ましくありませんので、そのためにも持続可能性のあるMSCの水産物を利用した商品を増やしていくことはたいへん重要になっていると思います。2017年はいろいろ取り組みましたが、来年以降も、MSC認証の商品を増やしていきたいと思っています。
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松本さん、ありがとうございました!

ちなみにコープオリジナルの「さばの味噌煮」は、湯煎で温めてすぐに食べられるので「自分で作るよりも簡単でおいしい!」と忙しい主婦の方や、また魚嫌いのお子さんにも大好評だそうです。
生協の商品を買う際は、ぜひ便利でおいしいMSC認証商品、選んでみてくださいね。

渋谷のオフィス1階で見られる「コープ商品の歴史」

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最後におまけです。渋谷駅近くの日生協さんのオフィスビル一階には、「コープ商品ミュージアム」があり、
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コープ商品の歴史をさかのぼって見られる、こういった展示を行っています(なんと日本で最初の生協の設立は明治初期!)。
この日はMSCに関するコーナーもありました!(冒頭の写真)

               

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