こんにちは。MSC日本事務所スタッフのイトウです。

MSCより、最新の年次報告書が発表されました。
今年は設立20周年の節目の年であり、『MSC年次報告書2016年度』では、これまでのグローバルでの活動が紹介されています。
(日本語版PDFはこちら
MSC年次報告書2016-2017_表紙

『MSC年次報告書2016年度』は、主に以下の内容で構成されています。
  • 20年目のMSC
  • 規準の策定
  • 海上では
  • 認証水産物をつなぐサプライチェーン

20年目のMSC

20年前の海洋環境からMSCの設立までの経緯、そして今日の漁業・海洋環境・水産業界の状況、さらに今後の展望、2017年4月に発表されたMSC中期計画2017-2020についても触れています。
また、MSCの20年間の中での大きなトピックが年表で紹介されています。
MSC年次報告書2016-2017_08

基準の策定

MSCの2つの認証規準「MSC漁業認証規準」「MSC CoC認証規準」がどのように生まれ、どのように更新・改訂されてきたのかが紹介されています。
そうした取り組みの結果、2017年3月にMSCがグローバルな持続可能な水産物の認証プログラムとしては世界で初めて世界水産物持続可能性イニシアチブ(GSSI)の認定を受けたことは、今年の重要なトピックです。
また、漁業がMSC認証を取得するために行った様々な改善によって、対象魚種の資源量が増えるなど、環境に与えた影響にも触れられています。

海上では

2000年3月に2つの漁業がMSC認証を取得したことから始まり、この20年間で着実に浸透していったMSCのプログラム。2017年3月31日時点では、世界34ヵ国で315のMSC認証漁業が存在しています。
MSC年次報告書2016-2017_19
MSC漁業認証が世界中で広がっていく中で、日本でも2016年10月に、東日本大震災を乗り越えた宮城県塩釜市の明豊漁業が、日本で3番目の漁業認証を取得したことにも触れられています。
(明豊漁業のストーリーはこちら
MSC年次報告書2016-2017_21
世界で初めての事例となったMSC認証漁業も数多く紹介されています。
その一つとして、2016年6月、西オーストラリア州のピールハーヴェイのワタリガニ漁業がMSC認証を取得しました。これは、商業漁業と遊漁(=レジャーとしての釣り)が合同でMSC認証を取得するという、世界初の快挙となりました。
MSC年次報告書2016-2017_27画像
この他にも、開発途上国の漁業に対する取り組みや、MSC漁業認証を取得した各国のさまざまな事例が掲載されており、充実した内容となっています。

認証水産物をつなぐサプライチェーン

20年前は、消費者が持続可能な水産物を買いたいと思っても、信頼できる情報を入手するのは困難でした。持続可能な水産物を提供したいと考える各国の事業者も同じ課題に直面していました。これを解決したのが、MSCです。
2000年にMSC「海のエコラベル」が付いた初の製品がアメリカのホールフーズ・マーケットで発売され、MSCプログラムに参加する事業者も次第に増えていきました。
世界中で入手可能なMSCエコラベル付き製品数は、2008年の1,079から、2017年には24,703と飛躍的に伸びています。
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年次報告書では、パートナー企業との協働が紹介される中で、イオンの取組みについても大きく紹介されています。
日本でこの10年間、海洋環境への理解を深め改善を推進するために、小売企業の先頭をきってきたのがイオンです。今回の年次報告書では、その詳細について記しています。

最後に、MSC最高責任者ルパート・ハウズの言葉をご紹介します。
「これまでMSCを支えてくださった多くの方々に心より感謝の意を表します。この年次報告書が皆様にとって刺激となり、さらに高い目標を達成していただけることを願っています。」

『MSC年次報告書2016年度』のPDF(日本語版)は、こちらからご覧ください。


               

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