MSC日本事務所が5月1日で10周年を迎えたのを記念し、
今月はスペシャル記事を何度かお届けしてきました。
5月最後の今日はスペシャルの締めとして、MSCのスタッフも折に触れて
色々な方から尋ねられる質問、MSC認証制度の特徴について改めてご紹介します。

MSC認証制度の特徴については、
英国本部のMSC科学規準ディレクター デイビッド・アグニューが
ブログ記事「MSCと他のエコラベルはどう違う?」で説明していますので、
日本語訳を作成しました。
いつもより硬派な内容ですが、ご興味ある方、どうぞご一読ください。

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スーパー

流通業者や小売業者、消費者の方々は、増え続ける水産物エコラベルに
迷っている状況ではないでしょうか。
私たちMSCスタッフも、MSCの認証制度と他の水産物認証プログラムとの違いを
尋ねられることがよくあります。
そこで今回は、MSCの認証制度の特徴を6つにまとめました。

1.漁業の持続可能性を追求

MSCの認証制度は、漁業の持続可能性を追求するために作られました。
また、水産養殖管理協議会(ASC)による認証制度は、責任ある養殖に関わる養殖慣行に
重きをおいて作成されています。
私たちはASCと緊密に連携して、天然と養殖両方の水産物を守っていきます。
漁業
他の水産認証プログラムでは、労働条件・労働時間・乗組員の扱いなど、
漁業の社会的影響に焦点を当てた英国シーフィッシュの「責任ある漁業プログラム」や
「フェアトレードUSA」などがあります。
MSCは今後、MSC認証漁業における労働慣行の改善にも取り組む予定ですが、
その焦点は、あくまでも水産資源と環境の持続可能性にあります。

2.総体的なビジョン

MSCが定める持続可能な漁業の規準は、すべての漁業とそれに関わる生態系全体
考慮しています。
認証取得をめざす漁業は、その漁業が対象とする水産資源の持続可能性を審査されます。
広い海洋環境に与える影響は、生態系や他の魚種への影響も含みます。
さらに、管理の適切さも問われます。
海
他の水産認証制度では、上記のうちの1つだけ、またはいくつかだけに
焦点を当てている場合があります。
例えばイルカの安全を考慮するラベルは、イルカとの接触という1点のみに焦点を当て、
その際に使用される漁業技術等について定義しています。
しかしイルカ以外の生物や魚種、より広い環境への影響については考慮されていません。

3.漁業全体に焦点を当てる

MSC認証漁業の審査は、その漁業による具体的な影響や状況を考慮しています。
すべての魚種(哺乳類を除く)とすべての漁法(毒とダイナマイトを使用した漁業を除く)
が、MSC認証取得の対象となります。
認証を望む漁業者たちは、それぞれの漁業がMSCの規準を満たしているかどうかを
判断するために、生態系と対象魚種への影響について審査されます。
モルジヴのカツオ一本釣り漁業 (c)MSC海洋管理協議会
MSC認証は、WWF、米国のモントレーベイ水族館・シーフードウォッチ、
カナダのバンクーバー水族館・オーシャンワイズや、イギリスの海洋保護協会(MCS)
などが発行する水産物推奨リストや格付けとは異なります。

こうしたリストや格付けは「魚種」に焦点を当てており、消費者またはケータリング業者が
与えられた情報をよく考えた上で、水産物を選択するためのものです。
これらの多くは、MSC認証を推奨リストや格付け作成時の参考としていますが、
他の情報も独自に審査して、漁業の持続可能性を判断するために
MSC以外の規準も使用しています。

MSCのプログラムは、独立した監査により持続可能性を厳密に審査されています。
利用したい方は、水産品についているMSCの「海のエコラベル」を探してください。
持続可能で環境に配慮した漁業による水産物の証です。

4.審査の厳格性:科学的検証、データ、コンサルティングと外部査読

MSC漁業認証の審査は、だいたい18ヵ月程度で完了します。
漁業を審査する専門家チームで構成された、独立した適合性評価機関(CAB)が
審査業務を実施しています。
この審査チームは漁業を現地訪問し、関係するすべてのステークホルダーに話を聞き、
利用可能なすべてのデータと情報を考慮して、その漁業が認証されるべきかどうか
決定することが義務づけられています。
この審査結果は、独立した専門家による外部査読にもかけられます。
スペインの審査風景・漁業者と認証機関担当者による漁場の確認作業
MSCの認証制度は、天然水産物の持続可能性の審査における厳格さや
ステークホルダーとのつながりにおいて、随一のプログラムであるといえるでしょう。

5.海から食卓までのトレーサビリティ

消費者の方々にとって、MSC「海のエコラベル」の付いた水産物は、
MSC認証漁業で獲られた水産物の証として信頼できるものです。

水産物に「海のエコラベル」をつけて包装し販売するには、
サプライチェーンに関わる企業すべてが、MSCのCoC認証を取得しなければなりません。
CoC認証企業は、MSCによる世界最大級の持続可能な水産物サプライチェーンの一環
となり、認証水産物と非認証水産物を混ざらないようにして、
MSCの規準に基づき正確に「海のエコラベル」を表示する義務があります。
トレーサビリティ (c)SASA
その結果、MSC認証水産物の誤表示割合は1%未満となっています。世界で2万品目以上に
およぶ認証製品のうち、99%以上に正しくラベル付けがされています。

6.グローバルな業界の優良事例

水産物認証とエコラベル制度の中で、以下の全ての国際規準に準拠しているのは
MSCだけです。

•責任ある漁業のための行動規範(国連FAO)
Link: http://www.fao.org/docrep/005/v9878e/v9878e00.htm

•水産物エコラベルのためのガイドライン(国連FAO)
Link:http://www.fao.org/docrep/012/i1119t/i1119t00.htm

•社会環境規準設定のための適正実施規範(ISEAL)
ISEALのウェブサイト:https://www.isealalliance.org/

• 世界貿易機関の貿易の技術的障壁に関する協定
世界貿易機関(WTO)・貿易の技術的障壁に関する協定(WTOウェブサイト)https://www.wto.org/english/tratop_e/tbt_e/tbt_e.htm
漁業
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5月1日にMSC日本事務所は10周年を迎えましたが、
MSC全体としても4月26日に設立20周年を迎え、この春は節目の季節となりました。
今後も、将来の世代も海の恵みを楽しめるように、尽力してまいります。
引き続きご声援をよろしくお願いいたします!

               

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