こんにちは。MSC漁業担当の鈴木です。
最近、MSC漁業認証に関するお問い合わせが増えてきました。
そこで今回は、MSC漁業認証を目指すうえで最初のステップとなる「予備審査」について
お話ししたいと思います。
MSCの審査プロセスの概要は、以前このブログでも紹介しました。
(「MSCの審査プロセス」へ)
まず、MSC漁業認証の審査の流れをおさらいしていきましょう。
MSC漁業認証授与にいたるまでを示した、下の表をご覧ください。

MSC漁業認証を取得するためには、「本審査」(図の青い部分)を
通過しなければなりません。
本審査では、現地審査のあと、複数のレポートが書かれ、
その都度コメントを募ることになっています。
最終報告書が提出される前には、レポートはインターネットを通じてすべての人に
向けて公開され、その漁業の持続可能性について一般からコメントを受けます。
また、本審査には、1年から1年半ほどかかります。
このように、本審査はとても透明性の高い審査ですが、認証がとれるかどうか
分からない漁業者さんにとっては、いきなりこのプロセスに進むのは
かなり勇気がいりますし、実際にリスクのあることだと思います。
そのために、MSCでは、本審査に進む前の準備期間を設けています。
これが、予備審査です。
上の図では、左上のオレンジ色の部分です。
本審査は認証を取得するためには誰でも通過しなければいけない審査です。
それに対し、予備審査は「任意」なので、受けなくてもかまいません。
ただし、以下の理由から、MSCでは予備審査を受けることをお勧めしています。
①本審査に入った際の認証取得の可能性や、認証取得に向けた課題を
明らかにすることができます。
②本審査と違って、「任意」で非公開で行われますので、都合の悪い結果が出ても
外部には出ません。
③期間は、3か月前後ですので、比較的短期間で漁業認証取得の可能性を
探ることができます。
本審査と違い、予備審査では、報告書は1回しか出されません。
ですから、審査員が現地を訪問して情報収集をしたあとは、報告書の完成を待つだけです。
【予備審査の流れ】
では、実際に、予備審査の流れを見てみましょう。
認証機関から見積もりを取り、契約を結んだら、まずは現地訪問が行われます。
予備審査の現地訪問は、通常1日~2日程度です。
本審査は3人前後の審査員によって行われますが、予備審査は1人~2人程度で行なうことが
多いようです。
現地では、申請者の漁協や漁業者さんに話を聞くだけでなく、必要に応じて、行政、
研究機関、大学、NGOなどで聞き取り調査を行ないます。
(現地訪問の様子↓)
その後、以下の3つの原則に従って採点付けが行われます。
原則1 対象の水産資源が十分に豊富であること
原則2 漁業が混獲種や海底などの環境に与える影響が小さいこと
原則3 有効な漁業管理システムがあること
実際には、下のような審査ツリーに従って採点されます。
3つの原則の下に28の採点項目があり、100点満点で点数をつけます。
すべての項目が60点以上、かつ、各原則の平均が80点以上で合格ラインとなります。

予備審査報告書では、これら28の項目をすべて採点し、認証取得の可能性を
大まかに判断します。
また、これらの採点の結果に加え、漁業の概要や、得点の理由などが書かれます。
予備審査と言っても、報告書は数十ページになりますので、書き上がるのには
1か月~2か月かかります。
気を付けていただきたいのは下記の3点です。
①予備審査は、あくまで予備審査で、本審査ではありません。
②予備審査には審査費用がかかります。
③予備審査のみでは、「持続可能性」を証明することはできません。
予備審査を受けたからといって、すぐにMSC認証が取得できるわけではありません。
でも、予備審査を体験してみることで、MSCの審査がどのようなものなのか、
実感できるはずです。
また、MSC認証を取得するために、今後何が必要なのかも見えてくると思います。
審査費用はかかるのですが、さまざまなサポート体制も整ってきました。
(ほとんど自己負担なしに予備審査を受けた漁業もあります)
漁業関係の方、将来に水産資源を残していくための第一歩として、
MSC予備審査を受けてみませんか?
ご関心のある方は、ぜひ、MSC日本事務所(japan@msc.org)まで
お気軽にご相談ください。
次回は、MSC認証を用いた漁業改善の取り組み ヨーロッパ編をアップします。
ご期待ください!
MSCに関する詳しい内容は、下記までお問い合わせください。
MSC日本事務所サイト:http://www.msc.org/
Facebook: https://www.facebook.com/MSCJapan
東京都中央区日本橋兜町9-15 兜町住信ビル3階
03-5623-2846
japan@msc.org
MSC日本事務所のフェイスブックページに「いいね!」をお願いします。
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最近、MSC漁業認証に関するお問い合わせが増えてきました。
そこで今回は、MSC漁業認証を目指すうえで最初のステップとなる「予備審査」について
お話ししたいと思います。
MSCの審査プロセスの概要は、以前このブログでも紹介しました。
(「MSCの審査プロセス」へ)
まず、MSC漁業認証の審査の流れをおさらいしていきましょう。
MSC漁業認証授与にいたるまでを示した、下の表をご覧ください。

MSC漁業認証を取得するためには、「本審査」(図の青い部分)を
通過しなければなりません。
本審査では、現地審査のあと、複数のレポートが書かれ、
その都度コメントを募ることになっています。
最終報告書が提出される前には、レポートはインターネットを通じてすべての人に
向けて公開され、その漁業の持続可能性について一般からコメントを受けます。
また、本審査には、1年から1年半ほどかかります。
このように、本審査はとても透明性の高い審査ですが、認証がとれるかどうか
分からない漁業者さんにとっては、いきなりこのプロセスに進むのは
かなり勇気がいりますし、実際にリスクのあることだと思います。
そのために、MSCでは、本審査に進む前の準備期間を設けています。
これが、予備審査です。
上の図では、左上のオレンジ色の部分です。
本審査は認証を取得するためには誰でも通過しなければいけない審査です。
それに対し、予備審査は「任意」なので、受けなくてもかまいません。
ただし、以下の理由から、MSCでは予備審査を受けることをお勧めしています。
①本審査に入った際の認証取得の可能性や、認証取得に向けた課題を
明らかにすることができます。
②本審査と違って、「任意」で非公開で行われますので、都合の悪い結果が出ても
外部には出ません。
③期間は、3か月前後ですので、比較的短期間で漁業認証取得の可能性を
探ることができます。
本審査と違い、予備審査では、報告書は1回しか出されません。
ですから、審査員が現地を訪問して情報収集をしたあとは、報告書の完成を待つだけです。
【予備審査の流れ】
では、実際に、予備審査の流れを見てみましょう。
認証機関から見積もりを取り、契約を結んだら、まずは現地訪問が行われます。
予備審査の現地訪問は、通常1日~2日程度です。
本審査は3人前後の審査員によって行われますが、予備審査は1人~2人程度で行なうことが
多いようです。
現地では、申請者の漁協や漁業者さんに話を聞くだけでなく、必要に応じて、行政、
研究機関、大学、NGOなどで聞き取り調査を行ないます。
(現地訪問の様子↓)

その後、以下の3つの原則に従って採点付けが行われます。
原則1 対象の水産資源が十分に豊富であること
原則2 漁業が混獲種や海底などの環境に与える影響が小さいこと
原則3 有効な漁業管理システムがあること
実際には、下のような審査ツリーに従って採点されます。
3つの原則の下に28の採点項目があり、100点満点で点数をつけます。
すべての項目が60点以上、かつ、各原則の平均が80点以上で合格ラインとなります。

予備審査報告書では、これら28の項目をすべて採点し、認証取得の可能性を
大まかに判断します。
また、これらの採点の結果に加え、漁業の概要や、得点の理由などが書かれます。
予備審査と言っても、報告書は数十ページになりますので、書き上がるのには
1か月~2か月かかります。
気を付けていただきたいのは下記の3点です。
①予備審査は、あくまで予備審査で、本審査ではありません。
②予備審査には審査費用がかかります。
③予備審査のみでは、「持続可能性」を証明することはできません。
予備審査を受けたからといって、すぐにMSC認証が取得できるわけではありません。
でも、予備審査を体験してみることで、MSCの審査がどのようなものなのか、
実感できるはずです。
また、MSC認証を取得するために、今後何が必要なのかも見えてくると思います。
審査費用はかかるのですが、さまざまなサポート体制も整ってきました。
(ほとんど自己負担なしに予備審査を受けた漁業もあります)
漁業関係の方、将来に水産資源を残していくための第一歩として、
MSC予備審査を受けてみませんか?
ご関心のある方は、ぜひ、MSC日本事務所(japan@msc.org)まで
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次回は、MSC認証を用いた漁業改善の取り組み ヨーロッパ編をアップします。
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